2024年テーマ

源氏物語

The Tale of Genji

源氏絵鑑帖 巻45 橋姫
宇治市源氏物語ミュージアム蔵

京菓子展公募展2024
『源氏物語』に決定。

京菓子のテーマや情景を小さな世界に作り上げる際には、和歌などの古典文学が、大きな役割を果たしてきました。

本年は、平安時代中期に紫式部によって書かれた長編小説である『源氏物語』をとりあげます。

『源氏物語』は、後世に多大な影響を与えてきました。とりわけ、有斐斎弘道館が設立された江戸時代には、『源氏物語湖月抄』などの注釈書が出版され、それらを通して、庶民に享受され、広まっていきました。また、絵画や茶道具など、あらゆるジャンルの意匠となり、さらには、双六、かるたといった玩具類やグッズが作られるなど、広く親しまれるようになりました。『源氏物語』は、教養の基として、また想像力の源として、今なお人々のあいだに生き続けています。

なお、2018年にも源氏物語をテーマに公募をいたしました。

再度のテーマ設定となりますが、古典を深く読み、また楽しんでいただくきっかけになればと願っています。


About

京菓子展とは

「京菓子」は、朝廷文化である有職や茶道文化と密接に関わり発展した世界でも稀にみる芸術的な食べ物です。日本の伝統文化を表す重要なエッセンスが、すべて《50グラムの立体造形》に込められています。

本展覧会は、京都を代表する芸術文化である京菓子を通して、広く皆様に古典文学について知っていただくとともに、京菓子についての理解を深めていただくことを趣旨とするものです。

本年は源氏物語をテーマにした京菓子作品の中から、選りすぐりの作品を展示いたします。


「京の菓子文化」は2017年に”京都をつなぐ無形文化遺産”に選ばれました。

Yuuhisai Koudoukan

弘道館と皆川淇園

有斐斎弘道館は、江戸時代を代表する儒者・皆川淇園(みながわきえん/ 1734-1807)の学問所「弘道館」址に建てられた数寄屋建築です。建造物ならびに庭園を保存するとともに、江戸時代の教養文化を再考し、現代における学問所の再興をめざして、活動を続けています。公募展を通して、当時の文化サロンの豊かなネットワークに思いを馳せることができましたら幸いです。